2014年7月31日木曜日

LED懐中電灯の小気味よい手抜き

この懐中電灯は今流行のLED懐中電灯です。
町内会でもらったか、秋葉原で買ったか、記憶は定かではありませんが我が家には同じ形のモノがいくつか有ります。結構明るいし電池も単4でありながら意外に長持ちします。
ところが最近そのいくつかがチラチラしたり消えかかったりするのです。トントン叩いたりするとしばらく安定します。
この懐中電灯、製造社名も記載が無い。
中国製でしょう。
見た目はアルミの引き物パイプのケースでカッコ良いし気に入って使っていたのですがチラチラする懐中電灯は困ります。
修理できないか構造を見るために分解してみました。
その結果、これは末永く使うには向かない製品で有ることがハッキリしました。
構造を見るとアルミパイプのケースが電気回路の一部になっています。こう云うコトは珍しいことではなく懐中電灯ではごく普通のことでしょう。
ランプユニットを外すのはどうやるのか??
写真では分解済みですが、良く解らなかった部分です。
もう一つの方を調べて見ましたら正面のレンズが少し浮き上がっています。
ランプユニットは正面から押し込んであるだけです。ハズレどめ(緩み止め?)のバネやpinはありません。ただ押し込んであるだけです。
電池側から押し出したらあっさり抜けました。チラチラの原因はこれかも知れません。
LEDの脇に細いリード線が見えます。LEDの片足を延ばしただけです。これがケースに電気回路として接触しています。
ランプユニットは白色LED9個を組み込んであります。
9個のLEDはすべて並列です。電流制限抵抗のようなものは入っていません。LEDは豆ランプのような電圧依存型素子ではないのでそのまま並列接続をすると電流のアンバランスが生じ、均等に光りません。素子によっては過大な電流が流れることが有ります。
直列にするのは問題ありませんが基本的に電流を制御する回路が必要です。
簡単には抵抗を入れれば良いのですが、この懐中電灯にはそれすら入っていません。
電池は単4乾電池を3本入れるケースが有ります。なかなか気が利いてると思います。
一番後ろ電池ケースの蓋にSWが付いています。
防水のようなゴムカバーが付いていますがそのように見えるだけです。
ゴムのようなカバーはSWユニットに被せてあるだけで密着していませんので防水にはならないでしょう。カバーを外すと押しボタンSWが出てきます。
このSWもただ押し込んであるだけ、側面の電極がバネ材を使っていないのでケースとの接触が悪くなっています。電池側の電極は一応バネ材です。
SWユニットに電流制限回路が組み込まれているかと思ったのですがそれはありませんでした。

LEDは単4電池3本(4.5V)と直結です。
『これじゃLEDに過大電流が流れてすぐダメになってしまう』と思ったのですがLEDはどれもそれなりに光っています。
多分(これは想像です)単4電池は内部抵抗が大きいのでそれが電流制限の役に立っているのでしょう。
もし単1などのハイパワー電池をつかったらLEDはすぐにダメになってしまうでしょう。
接触不良を治そうと思ったのですが簡単には治せる構造では無く、何とも愉快としか言いようのない素晴らしい設計とあきらめることにしました。
どうしてもと云われたならランプの引き出し線とSW側面の端子端子をリン青銅板で細工すれば何とかなるかなあ~


2 件のコメント:

duh さんのコメント...

徐々に労務費も上昇してきたので、極端な手抜きをすることしか発想が浮かばないんでしょうね。

エフ さんのコメント...

日本が元気だったころ、付加価値を付ける工夫が華やかでした。
度が過ぎると問題です。日本のモノ作りは付加価値で発展し過ぎたる付加価値で苦しんでるように思います。
これからは使いやすさがポイントになる・・・そんな気がします。