2012年4月24日火曜日

気になるメータ (3)

テスタのことを『VOM』あるいは『VOMメータ』と呼ぶことがあります。
これは、V・電圧(ボルト)、O・抵抗(オーム)、M・電流(ミリアンペア)、のコトです。つまりこの3種類の要素が計れるものをテスタと云うのです。
気になるメータで抵抗を計ることは出来ました。
いよいよ電圧計と電流計です。

本来はメータの内部抵抗を知って計算するのですが、実際には内部抵抗を正確に知ることはかなり難しいです。
うっかりテスタやブリッジなどで測定するとメータを壊す危険があります。
また、必要な倍率器や分流器の値が求められてもそれを造ることがまた大変です。
その辺は割り切って考える方がお勧めです。

『気になるメータ』は抵抗測定の時、可変抵抗を直列に入れて1kΩになれば1Vの電圧を加えてフルスケール・1mAを示すことを確認済みです。
仮に15Vの電圧計にしたければ全体の抵抗値が15kΩすればよいことになります。同じように考え、5Vの電圧計なら5kΩです。
この電圧計は測定時に1mAの電流が流れます。この様なメータの内部抵抗を 1kΩ/V と表記します。
* 1kΩ/V 1V当りの内部抵抗
これは動作中の回路電圧を測るにはあまりにも低い値です。つまり回路に与える影響が大きいと云うことです。
このことは最初にも触れましたが省電力化が進んだ電子回路ではテスタを繋ぐことによって回路の動作点が狂い正しい測定が出来ません。
最近の標準的なテスタは 20kΩ/V です。メータ自体は50μA以上の高感度メータを使っていることになります。

電流計も同様に考えると 1kΩ(メータ+可変抵抗)の状態では1mAの電流計ですが並列に抵抗を入れて合成抵抗が200Ωになれば5mAの電流計になります。15mAの場合は66.66Ωです。
電流計は回路に直列に入りますから、この様な使い方ではフルスケールで1Vの電圧降下が有ります。
回路の工夫で多少電圧降下分を小さくすることはある程度可能です。

このメータには 交流電圧計 のメモリもあります。
0.5Vとか1.5Vのメモリです。
流石にこの様に低い電圧を整流器だけで読むのは交流の電源電圧以外困難です。
交流電圧計は電圧の低い方でメモリが詰まっています。ダイオードの特性によるものです。また、周波数や波形によっても誤差が出ます。
いい加減に作ると気休めにもならない誤差の多いものになってしまいます。
今回は簡易型テスタの限界と、あきらめます。

アンプなどを使わず1mAのメータで作るテスタの限界が見えてきました。
実際にはテスタをいくつか持っています。

テスタと同じものを作る必要はないのかも知れません。
実験の時回路の動作状態を知ると云うより電源や負荷変動の監視用にした方が良さそうです。
そんな方向付けが見えてきました。
こんなコトを考えてるのは結構楽しいです。そして行動に移り面白いものが出来るか?
実際に作り始めて行き詰まってやめてしまうことも度々!!
しばらく経っても何もなければ投げ出したと思ってください。
今まで作ったゴミは数知れず・・・

2012年4月21日土曜日

気になるメータ (2)

ホントに思ったように動くか検証してみました。
1kΩの抵抗を測定してみたところどうやら思惑どおりに働きます。
チョット多めに表示されていますが普通の抵抗を使っていますのでこんなものでOKでしょう。
回路はこんな感じです。
メータ部分は外部抵抗を含めキッチリ1kΩにする必要があります。
これはメータの中央のメモリが”1”ですからそれを1kΩに合わせる為です。
仮に10kΩにしたければ抵抗を含めて10kΩにします。
計算上では1Ωにすることも可能ですがそれはかなり面倒なことになります。
測定端子から見た内部抵抗が1Ωでメータに流す電流が1mAというのは電源の関係で厄介です。考えてみてください。
これらは電池の選択にも関係します。

今回は素直に1kΩです。最近の電子回路を考えると偶然にもちょうど良いことが解ります。
数10Ωから10kΩくらいまで慣れれば50kΩを読み取ることが可能です。
メータに1mAの電流を流す為にFET(2SK43)による定電流回路を作りました。
FETのゲート、ソース間の抵抗(VR1k)を調整し回路電流を1mAに合わせます。実際に使う時はRxに色々な抵抗が繋がります。たとえばゼロΩ。それでも回路電流は1mAでなければ困ります。
実際に作る時は定電流回路を出たところに抵抗(470Ω程度)を入れて動作点を合わせます。
今回の実験では9Vの電池を使っていますが実機では3V程度で使いたいと思っています。
カッコ内に入れてある数値も実験上の参考値です。

最近は定電流ダイオードが簡単に手に入りますのでそれを使っても良いのですが電流の補正が出来ません。カタログデータを見ると調整せずに実現できそうな気がします。

次は電圧計です。これはRx端子にさらに直列抵抗が入ることになります。
今回は抵抗をVR(可変抵抗)で済ませていますが実際に使おうとする場合VRの多用は動作不安定の原因にもなります。
とは云え抵抗値に端数の付く抵抗は入手出来ません。安物のVRは要注意です。




2012年4月15日日曜日

気になるメータ

先日、友人から気になるメータを頂きました。
そうです、テスターのメータのような感じです。
『・・・のような』と書いたのは抵抗レンジのメモリが普通のテスタとは違います。
抵抗レンジは右一杯に振った時ゼロΩになっています。
このメータは右が∞です。
実はバルボルなどでは内部回路の関係でこの様な振れ方をするのです。


このメータで機能限定の簡易テスタが出来ないでしょうか?
簡便さを旨とするテスタに高度な電子回路は似合いません。
メータ感度は1mAです。


居眠りしながらなんとなくひらめいてきました。
でも、メータ感度1mAの為に電圧測定時の内部抵抗は1kΩ/Vになってしまいます。チョット気になりますが簡易型と云うことで我慢しましょう。うまく行くかどうか・・・
ちなみに最近のアナログテスタの内部抵抗は簡易型でも4kΩ/V。
20kΩ/Vが標準的です。