2015年11月27日金曜日

気になるメータ (4)

このメータで簡易なテスタを構成するにはあまりにも実用的ではないので放り出していたのですが、やはり気になります。
初めてこれを見る人は 気になるメータ(2)を先に読んでください。
http://ja1cvf.blogspot.jp/2012/04/blog-post_21.html
実用的なことより何かのhintになるようなことを考えています。

⦿ 抵抗測定の続きです。
一番気になるのは抵抗測定の定電流源です。
FETによる定電流源は温度による影響が多くヤミクモなやり方ではゴールが見えません。
今回、定電流ダイオード(CRD)に着目してみました。
CRDも温度の影響は受けますが自己過熱による場合が多く1mA以下の製品はその影響が少ないようです。
今回の目的・1mA前後の電流での特製を調べて見ました。
カタログから引用
参考(SEMITECのカタログ)・http://semitec.co.jp/uploads/crd_113I_all.pdf
想像以上に良さそうでしたがダイオードに掛かる電圧が問題であることも判明しました。
前回の実験では電池電源9Vを使用しましたが今回は3.7Vのリチュウムイオン電池を使用したいと考えています。
しかしこれは不利な変更になります。メータ回路に1Vの電圧が必要ですからCRDには2.7Vしか掛かりません。
仮にE-102を使ったとすると定電流域には約3V以上の電圧が必要となります。
電池が満充電の時は何とかなりそうですが回路電圧が低すぎます。
カタログを見直し電流容量の小さいものほど使用電圧を低く出来ることがわかりました。
今回は、CRDの諸特性、電池電圧、入手しやすさなどから E-501 を2個並列に使用して見ました。
基準合わせ。 何と表現するべき迷ったのですが、一般テスタの 0Ω 合わせです。
この抵抗計の場合メータ回路の可変抵抗でRx=1KΩで指針を合わせます。
この抵抗計には倍率切換回路は用意していませんが最近の半導体回路には充分な測定範囲と思います。

★ このような使い方をする場合正確に1mAの定電流源を作らなければなりません。多めに用意して選別する必要が有ります。私の場合5本ほどの中から2本並列で選別しました。 とは云いながら未校正のマルチメータで測定しただけ・・・気休めです。
★ リチュウムイオン電池の3.7Vと云うのは余裕が有るとは云えず限界に近い電圧です。
電池電圧が3V以下に低下すると測定誤差が大きくなります。
これにこだわるのは容量が少なくなってしまったカメラ電池の有効利用につもりです。ニカド電池は自己放電が大きくこの用途には不向きです。

⦿ 電圧測定回路の倍率抵抗に付いて
メータスケールは 1.5 5 15V の3種類です。
このメータを使った電圧測定は内部抵抗が 1kΩ/V と小さいので回路内の測定には要注意です。
電子回路の省電力化が進み回路インピーダンスが高いので実回路内の電圧測定では誤差が大きくなります。
この実験では電源電圧の測定かテスタの回路研究と思っています。
メータ回路の倍率(直列)抵抗は一般抵抗でも対応できる抵抗値です。
高精度の抵抗を用意したい所ですが秋葉原のパーツ屋さんで購入した標準的な抵抗器でもほとんど誤差を感じない程度に収まります。
直列抵抗を含めメータ回路は1mA/1kΩですから倍率器の計算は簡単です。
使用した抵抗は 1袋100円 100本入り の安物抵抗です。それでも気になる読み取り誤差は殆どありません。
最近の抵抗器は誤差が少ないという評判どおりでした。

★ このメータは本来増幅回路を組み込み比較的低い電圧を正確に測定することを目的にしたものと思われます。
交流電圧メモリも有ります。
これをどうするかアンプなしでは実用的には問題ありです。
何か面白い使い方が閃いたらまた実験の続きをしてみます。
トランジスタの hfeメータ とか作れそうですが・・・  昔は結構気にしましたけれど最近は適当にやってます・・・